2023年4月より、中小企業も含めたすべての企業において、1ヶ月60時間を超えた法定時間外労働に対する割増賃金率が50%以上に引き上げられます。
割増賃金はどのくらい増加する?
割増賃金率が増加するのは、月60時間を超えた部分だけです。

一見少ないように感じますが実際は次のとおりになります。

長時間労働になる場合は深夜におよぶ労働になる可能性があります。上記の場合ですとなんと1,125円/時アップすることになります。
長時間労働の生産性を考慮すると過大給与であることは安易に想像できます。
長時間労働の防止および人件費の増加という観点から、企業はできるだけ時間外労働を削減することが求められます。
時間外労働削減のポイント
1.残業が従業員任せになっていないか
- その業務は今日中に行う必要がありますか
- 上司は部下の業務を把握していますか
- 上司の指示なく、自己判断で残業していませんか
2.付き合い残業していないか
- 上司(同僚)が残業していると帰れない風潮はないですか
- 同僚の帰りを待つために残業はしていませんか
3.人員体制を見直すことができないか
- 業務がキャパシティオーバーになっていませんか
- できる人ばかりに仕事をさせていないですか
4.社内の業務フローに問題はないか
- 社内で使用する資料づくりに時間がかかりすぎていないですか
- 社内で使無理な契約で受注し後工程を行う部署にしわ寄せがいっていないですか
5.機器の導入などで生産性を向上する方法はないか
- パソコンの動作は遅くないですか
- クラウド化できないですか
- 新たなシステムを導入することによりスピードアップできないですか
過去1年間の時間外労働時間と同じだったと仮定して、人件費がいくらくらい増加するのか計算してみると対策が必要かどうか、対策にいくらかけられるのか試算できます。
現場管理者にも、人件費への影響について認識をもってもらい、時間外労働削減の必要性について説明もしやすくなります。
36協定の取り扱い
時間外労働・休日労働に関する協定(いわゆる36協定)において、特別条項を設ける場合、限度時間を超えた労働に係る割増賃金率を記載する欄があります。
2023年4月以降に割増賃金率が変更となりますが、36協定には月60時間を超えた割増賃金率を記載する必要はないため、協定期間が2023年をまたぐ場合であっても、届出をし直す必要はありません。

労働時間の適正な管理
時間外労働時間削減にはまず、労働時間を適正に把握することが重要です。タイムカードだけではなく現状を確認する必要があります。
適正に労働時間を記録していないようなら、社内研修を行ったり、パソコンの使用記録などで実態と乖離していないか確認できるようにするなどの取り組みを行いましょう。
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スタッフが行っていた業務を外注化することにより人件費を削減することも可能です。
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割増賃金率が引き上げられると、給料計算も煩雑になるため、スタッフの業務量は増加します。
業務効率化により時間外労働を削減すれば、スタッフのモチベーションアップにもつながります。